昨日までぴったりはまっていたはずの銀歯、ある日突然はずれたと思ったら、中は真っ黒に虫歯が広がっていた…
多くの人が体験をしてきているこの悲劇。今日も日本中のどこかで繰り返されているのは何故でしょう?歯医者さんに理由を問うと、「甘いものをよく食べるのでは?」「歯磨きの回数は?」と逆に質問される…この問答も、日本中の歯科医院で、今日も繰り返されていることでしょう。
確かに糖質の摂取量、頻度も関係あるのは間違いありません。
虫歯も他の病気と同様、生活習慣やその人の体質(歯質の強弱など)も大きく相関します。
しかし、セラミック修復などでは生じにくい、治療した歯における虫歯の再発が、特に銀歯の下で起こりやすいのは、歯科医師ですら忘れがちな、ある真実が隠されているからなのです。
それは…銀歯と歯は、“接着しない”ということです。つまりきちんとくっついていないのです!はまっているだけの状態であることから、学術的には接着と区別して”合着”と言われています。合着はセメントを介して金属が歯にはまり込んだ状態です。いわゆる銀歯がこの状態にあります。
これに対して接着とは、歯質と化学的に結合している状態です。セラミックの修復物がこれに当たります。ですから、接着によりセットされるセラミックの歯が割れたり外れても、あまりひどい虫歯になっていることはごく稀です。
反対に、合着ではめ込まれた銀歯の下では虫歯が進行しやすいのです。
こうやって、銀歯を合着してははずれ、新しい虫歯のところにまた銀歯を合着し、そしてまた虫歯が再発する…日本の多くの歯科医院ではこれが繰り返されているのです。
繰り返しの治療が、歯を失うまでの時間を縮めているという統計的なデータもあります。
できる限り自分の歯の寿命を延ばすためには、再治療の頻度を出来るだけ減らすことが重要だと私たちイルカ歯科医院は考えています。
このような観点から、イルカ歯科医院では接着技法を用いたセラミックでの虫歯治療を推奨しています。
イルカ歯科医院は、お口の中に金属の修復物や補綴物(銀歯のこと)を入れず、セラミックによる治療、メタルフリー治療を推進しています。
セラミックは、非常に硬く、透明感があり、何より熱や腐食に強い、化学的に安定な物質です。虫歯菌が作り出す酸で溶かされることはまずありません。
このようにセラミックの歯は過酷な口腔環境にも耐えることができるので非常に長持ちする上に、ただ白いだけでなく透明感のある自然な歯の色を再現することができる、非常に審美性の高い素材と言えます。
つまり美しい口元がずーっと続くということです。
また銀歯と大きな違いとして、合着と接着の違いがあります。
金属の凸凹部分に入り込んだセメントが固まって、機械的に嵌め込まれているだけの状態を合着と呼び、それが銀歯であり新たな虫歯を作り出す要因となっています。
一方セラミックは、化学的に歯と結合するため非常に外れにくい状態を構成します。これを接着と呼び、セラミックの歯を入れておくと新たに虫歯ができるリスクが確実に下がります。
もちろん、ただセラミックを使ったからと言って、100%トラブルが起こらない訳ではありません。何か硬いものが当たれば欠けることもありますし、日々のケアを怠れば歯周病の進行が起こります。
せっかく美しい口元を手に入れたのですから、その状態を維持管理することも大事ですよね。
イルカ歯科医院では治療が完了した患者様には、定期検診に来ていただき、継続的なメンテナンスを行うことをオススメしています。
メンテナンスの間隔ですが、そもそも患者様のお一人お一人の口腔環境に合ったメンテナンス間隔をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。
特に小児の生えたての永久歯は虫歯になりやすいため、ご家庭でフッ化物入りの歯磨剤などを使ってもらうことも大事ですが、小児の治療項目の1つにシーラントという予防処置があります。
虫歯の発生点になりやすい奥歯の溝をあらかじめ埋めてしまう方法で、予防効果が非常に高い方法です。
通常の処置から全て拡大鏡を用いて行います。時にはマイクロスコープ(顕微鏡)を用いて、虫歯菌に侵された歯質の取り残しがないよう細心の注意を払っています。
神経まで及んだ虫歯は神経を取らないといけません。さらに、神経を取った後で再度感染を起こし再治療が必要になるケースが多々あります。
イルカ歯科医院では、トライオートZX2という最新鋭の根管治療器を用いて、根っこの長さを正確に測定しながら感染歯質の除去を行います。
さらにハイクラスの治療をお望みの場合、マイクロスコープを用いた超精密根管治療をおこない、複雑な形態の根管を丁寧に綺麗にしていきます。
虫歯、根っこの治療が終わったらイルカ歯科医院のハイスペックデジタル機器により作製されたセラミックインレー、セラミッククラウンにより補綴処置を行います。
虫歯ができると言っても、いきなり真っ黒な穴が空いたりはしません。虫歯になる直前の状態があります。それが初期う蝕です。歯の表面が白く濁ったように変色します。
この状態であれば、適切なプラークコントロールを行うことで、もとの綺麗な歯質に戻すことは可能です。
虫歯が発生してしまった場合、虫歯に侵された歯質を過不足なく削り取る必要があります。
イルカ歯科医院では、普段から拡大鏡や歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を用いて、虫歯の取り残しがないよう細心の注意を払っています。
虫歯の部分が綺麗に取り除かれた歯には、コンポジットレジン(歯科用樹脂)やセラミックなどで修復をします。
歯髄とは、歯の内部にある歯の神経や毛細血管などが詰まっている部位です。ここまで虫歯が進むと、神経が侵され強い痛みが生じます。
そこで神経を取り除く処置が必要となります。
この処置は数回かかります。虫歯に侵された歯質を取り除き、神経まで取ってしまった歯は構造的に非常に脆くなるため、新しく歯を作るにはグラスファイバーで補強したり、型取りをして冠を被せます。
いわゆる神経が死んでしまった状態で、歯髄組織による感染への抵抗性が失われます。
そうすると根の先まで口腔内の細菌が一気に押し寄せ、感染を引き起こします。根の先の歯槽骨まで溶かされ、膿が溜まって歯茎が腫れてしまいます。
根尖性歯周炎ともいいます。ここまでくると、抜歯すら考えないといけない状況です。
C1からC4へ、一旦虫歯菌に侵されてしまった歯は、二次う蝕といって新たな虫歯を生じてしまうことがほとんどです。
そして再治療のたびに歯質は減少し、最終的に抜歯に至ります。この負のスパイラルから抜け出すためには、最も重要なことはまず虫歯にならないこと。
そしてもし虫歯になって、詰め物や被せ物をしたときに新たな虫歯を作らないような工夫をすること。
これらが負のスパイラルに陥らない重要なポイントと考えます