保険診療をおすすめしない理由の一つに、金属素材があげられます。日本の保険診療で認められている代表的な金属「12%金銀パラジウム合金」(銀歯)は、金属アレルギーや身体に与える影響から、世界の中で日本でしか使用されていない金属なのです。
アマルガムの正式名称は「歯科用水銀アマルガム」です。歯科治療用の水銀は、無機水銀が使用されていますが、無機水銀も有機化すると、メチル化水銀などに変質し、水俣病などの原因となった有害な水銀となります。
アマルガムは厚生労働省が認めている金属ではありますが、近年金属アレルギーやアトピー性皮膚炎 掌蹠膿疱症の原因になっているともいわれいるためアマルガムを、使用しない歯科医院も増えてきています。
しかし、今でも普通に使用している歯科医院も多く、1970年以前に虫歯の治療をしたことのある方には、たいていアマルガムが使用されています。アマルガムはとても変質しやすい金属で、常に温かくて湿り気のある口の中では、劣化し腐食をしていきます。
また、熱い食べ物や飲み物が口の中にあるだけでも、溶出する可能性があるのです。ある研究では、歯科治療に使用したアマルガムは3年以内に劣化の兆候を示し、10年後には、平均で総重量の約73%が減少すると報告されています。その結果として、水銀の粒子や水銀の蒸気が体内に流出し、自覚のないままに吸収され、腎臓、肝臓、脳などに蓄積されていくようです。
「12%金銀パラジウム合金」は世界中で日本だけしか使用していない金属で、この金属が保険の詰め物として認められたのは、1960年戦後間もない頃からです。
当時、国は「銅亜鉛合金」を保険診療の中に組み込もうとしましたが、あまりにも生態に害のある金属だったため「歯科用金属規格委員会」は総医療費や日本の経済力からみて、貴金属に替わる安価な代用金属として開発された「12%金銀パラジウム合金」をもって許容限界とし、出来るだけ早い時期に「金合金」へ移行すべきであることを委員会報告書で発表しました。しかし…時は過ぎ、いつの間にかそのことは忘れ去られ、現代に至っているのです。
「12%金銀パラジウム合金」に含まれる成分は、金12%・パラジウム20%・銀50%・銅16%・その他2%(亜鉛、インジウ、イリジウム等)を含んでいます。パラジウムは、金の耐摩耗性、銀の耐蝕性、耐硫化性という欠点を補うために使用されていますが、リンパ球幼若化テストという金属アレルギー検査では、約半数の人に陽性反応が出ます。
ドイツやスウェーデンでは、保健省が歯科業界に対して、「幼児及び妊婦に、銅を含有するパラジウム合金と、水銀・銀アマルガム合金を使用しない」という勧告を行ないました。ドイツなどの医療先進国では、パラジウムが体に与える悪影響を考慮して、パラジウムフリー(パラジウムを含まない、パラジウム0%)の金属を使うことを強く推奨しており、外国製の日本向けの歯科金属のパンフレットでも、「この金属はパラジウムを含みません」ということをわざわざ謳っているほど、パラジウムは身体に良くないと広く認識されています。
銀製の食器やアクセサリーのように、銀は酸素によって酸化して錆びやすく、すぐに黒色になる金属です。口の中という過酷な環境で使用すると、歯ぐきを黒く変色させたり、溶出の危険があります。
「銀合金」に含まれる成分は、銀70%・亜鉛12%・インジウム13%・その他5%(スズ、ルテニウム、アルミニウム等) 金属アレルギーを起こしやすい代表的な金属には、以下のものがあり「東京医科歯科大学歯学部アレルギー外来で歯科金属によるアレルギー発症を疑う来院患者 (5年間)にパッチテスト(閉鎖性単純皮膚貼付試験)っを行い、成分金属別に陽性率を調査した結果、水銀(Hg)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、クロム(Kr)、スズ(Sn)などの五大アレルゲンが高頻度でアレルギーを生じていることが明らかになりました。