小児矯正治療には大きなメリットがあります。
成人の矯正治療は永久歯を抜歯しなければならないこともありますが、小児期に矯正治療を行っておくことで、抜歯の可能性が飛躍的に下がります。なぜなら、小児のアゴの骨は成人に比べて非常に軟らかいため、矯正治療によってアーチを広げることで永久歯の萌出スペースを確保することができるからです。成人矯正に比べて治療期間が短いこともメリットとして挙げられます。
※写真は一例です。効果には個人差があります。
また、小児矯正治療に欠かせないのが『口腔周囲筋のバランス改善』です。
歯は外側が頬筋や口唇、内側が舌に挟まれた『筋肉でできた空間』に植立しています。飲み込み方の異常(舌の異常)や、口をポカンと開けたまま口呼吸をしてしまうのは、この筋肉のバランスに要因があると考えられています。飲み込み方の異常(舌の異常)や口呼吸をそのままにしておくと、少しずつ歯が外に出てしまうことにつながりますので、早めに気づいてトレーニングを行うことが大切です。また、この筋肉のバランスが崩壊していると、せっかく矯正治療できれいになった歯並びや噛み合わせが後戻りしてしまいます。そのため当院では矯正治療後の後戻りを防止するために、矯正治療と並行して『MFT・・・筋機能療法』を導入しています。
不正の程度が軽度であれば小児矯正のみで矯正治療が終了する場合もありますが、全ての歯が永久歯になった際に新たな不正が見つかった場合は仕上げの矯正治療が必要となることがあります。
インビザライン・ファーストは、混合歯列期(乳歯と永久歯の交換期)にある子どものためのマウスピース型矯正装置です。
インビザラインは、これまで主に永久歯が生え揃う時期の矯正治療(第2期治療)で使用していましたが、インビザラインシステムの技術進歩により、乳歯と永久歯が混在する時期の矯正治療(第1期治療)からの使用が可能になりました。
見た目に装着していることがほとんどわかりません。「お友達にからかわれるのが心配」など見た目に抵抗があるお子様も受け入れやすい矯正装置です。
マウスピースは簡単に取り外し可能。食事や歯磨きも普段通りに行えるので、従来の矯正装置と比較して虫歯のリスクを下げることが可能です。
マウスピースは薄くて滑らかな素材を使用しています。転倒したり、ボールが顔に当たっても矯正装置によるケガの心配はありません。
1週間毎のアライナー取り替えはご自宅で行います。通院は1.5~3ヶ月毎と少なめです。親御様の送迎の負担も最小限に。
できるだけ抜歯しないためには、早めに矯正治療を開始することが必要となります。通常は3歳ぐらいから顎のかたちが決まってくると言われていますので、早い段階から経過観察を行っていくことで、治療開始に最適なタイミングを見極めていきます。生え代わりによる個人差はありますが、当院では小学校低学年から本格的な矯正治療を行っております。
当院では、ただ歯を動かすだけでなく、咬合育成治療とMFT(筋機能療法)を併用することで、永久歯列での矯正治療を最小限にすることが可能です。さらに、矯正期間も通常より短くすることができます。
従来型の矯正治療は、顎に歯を合わせるために歯を抜く、という方法でした。それに対し、歯をできるだけ抜かずに保存することを優先するのが咬合育成療法の基本的な考え方です。顎を少しだけ拡大することで、抜歯のリスクを最小限にすることができます。できるだけ早く開始することで、装置が複雑にならない、治療期間が短縮できる、などのメリットもあります。
お子さまがテレビを見たり、何かに集中したりしている時などに、お口がポカーンと開いていることがあります。通常は、お口の内側からは舌が歯を押しており、それに対してお口の外側からは頬や唇がその力を押し返すことによって、力のバランスが取れています。ところが、いつもお口が開いていると外側からの力がかからず、出っ歯やすきっ歯などの原因ともなります。
また、せっかく矯正治療をして歯並びがきれいになっても、筋肉による力のバランスが悪いままだと、後戻りしやすくなってしまいます。
この他、お口を開けていることは、風邪を引きやすい、虫歯や歯周病になりやすい、口臭が強くなりやすい、などの症状にもつながりやすいため、できるだけ早くMFTのトレーニングを開始することをおすすめします。
舌を正しく動かすためにトレーニングしていきます。